Raspberry PI の初回起動とセットアップ

photo by tkramm

はじめに

初期不良にあたってしまい交換となったRaspberry PI ですが、先日無事届きました。

さっそく開封し最初のセットアップを行いました。以下ではMac での作業を想定しています。パスなど僅かな違いを除けば、Linux でも同様の手順が有効だと考えます。

やったこと

  • SDカードの焼きこみ
  • 起動
  • 初期設定

用意したもの

  • Raspberry PI TypeB(RAM512MBのもの)
  • 無線LANアダプタ PLANEX GW-USNano(値段失念 恐らく1000円以下)
  • HDMI to DVI ケーブル (800円弱)
  • SDカード 東芝製Class10 8GB(1000円弱)
  • micro-USB ケーブル & USB給電プラグ(Androidスマホのものが流用可能)

有線LANを使うこともできるのですが、ボード周りがゴテゴテするのが嫌で無線LAN を使うことにしました。 上で挙げたアダプタはサイズがとても小さく、2個並んでいるUSBコ ネクタに刺しても、もう一方を邪魔することはありませんのでお勧めです。

HDMI to DVI ケーブルは、その名の通りRaspberry PI のHDMI 出力をDVI に変換するものです。 HDMI 入力が可能なディスプレイを持っている場合、普通のHDMI ケーブルで問題ありません。(付属は無いので、いずれにせよ購入は必要です。)

SD カードは4GB以上は最低でも必要とのことですので、とりあえず8GBにしました。 OS イメージを焼きこんだり、カメラ撮影データを保存したりします。 転送速度はClass10 が良いと思いますが、活かしきれるかはRaspberry PI 側のIO性能次第なところもあります。

まずはこれだけあれば起動とセットアップができるでしょう。

SDカードへRaspbian OS を焼きこむ

Raspberry PI はSDカードから起動します。よってSDカードにOS をインストールする必要があります。

付属のGetting Started では、NOOBS というOS を簡単にインストールする仕組みが推奨されています。NOOBS 便利なのですが、結局使わないOS イメージも合わせてダウンロードするのが無駄に感じたので、はじめからRaspbian を直接SD カードに焼きこむことにします。

Raspbian はDebian というLinux ディストリビューションのRaspberry PI への移植版です。apt-get という大変良く出来たパッケージ管理システムを使うことができます。

以下のURL から2013-09-25-wheezy-raspbian.zip(日付は異なる可能性あり) というzip ファイルを取得し解凍します

http://www.raspberrypi.org/downloads

$ unzip 2013-09-25-wheezy-raspbian.zip 

解凍すると、2013-09-25-wheezy-raspbian.img が生成されます。これをSD カードに焼きこむことにします。

SDカードをMac を差し込み$ dfコマンドの結果を見て、SDカードのパスを調べます。Size の列がSDカードのサイズのものを探しましょう。

/dev/disk2s1 8Gi 2.1Mi 8Gi 1% 0 0 100% /Volumes/UNTITLED

今回は/dev/disk2s1 にマウントされているようです。ディスクをunmount して書き込みます。書き込みのパスは マウント時のパス(/dev/disk2s1)のdiskのまえに'r' を付与し、末尾のs1 を削ったものになります。

$ diskutil unmount /dev/disk2s1
$ sudo dd bs=1m if=pidora-18-r2c.img of=/dev/rdisk2

これで起動するためのSDカードが出来上がりました。早速起動しましょう。

SDカードを本体に差し込み起動する

SDカードを挿入し、HDMI ケーブルを差し込んだら電源を入れましょう。電源の入れ方は、micro-USBケーブルを差し込むだけです。

通電すると基板の端にあるLED のうち"PWR" が赤く点灯します。また"ACT" も断続的に緑色に光るはずです。

初期設定を行う

起動が完了すると画面に初期設定画面が表示されます。

f:id:zonomasa:20131219232429p:plain

最低限、以下のことを行います。 * "2 Change User Password" でパスワードを変更する * "8 Advanced Options" -> "A4 SSH" でSSHを有効にする

また必要に応じて言語設定を変更します。"4 Internationalisation Options" を選びさらに"I1 Change Locale" を選びます。言語の一覧が出てきますので日本語のUTF-8 を有効にします。

 [*] ja_JP.UTF-8 UTF-8

また同様に"4 Internationalisation Options" を選びさらに"I2 Change Timezone" を選びます。タイムゾーン一覧が出ますので日本居住であれば、"その他" を選び"GMT+9" を選んでください。

これにて初期設定は終了です。

再起動後、ログインすることで、通常のLinux と同様に扱えます。(ただしGUI は別に起動する必要がある)

まとめ

Raspberry PI の起動と初期設定を行いました。

Raspberry PI はSDカードにOSイメージを書き込み、USBケーブルを差し込むことで起動します。

いくつかの初期設定を行うことで、その後は普通のLinuxマシンのように扱うことができます。

Raspberry PI の起動が上手くいかず問い合わせたところ初期不良交換となった

はじめに

前回の記事でRaspberry PI を購入し到着を待っていることを書きました。

手のひらサイズのLinuxコンピュータ Raspberry PI を購入する - zonomasaの日記

Web からの注文の翌日土曜日、無事受け取ることが出来ました。

しかし、様々な情報を元に起動を試みるもOSが立ち上がる様子がありません。

不具合の詳細

具体的な症状としては以下のようなカラフルな矩形が表示されたきり、以降なんの変化も無いのです。(画像参照)

f:id:zonomasa:20131207231946j:plain

基本的な起動手順は次のように行いました。

  • RaspberryPI BType(512MB)
  • SD焼きこみ環境はMac OSX10.9
  • SD Formatter(SDカードコンソーシアムのもの)でSDカードを初期化
  • SDカードは東芝製8GB のものを新品で使用
  • SDカードにNOOBS1.3.2のファイル群をコピー
  • SDカードをRaspberry PI に挿入
  • HDMItoDVIケーブルでディスプレイに接続
  • 電源を接続(iphone用5V1AのUSB給電)
  • 一瞬ボードのACTランプが緑に点滅したあと、PWRランプのみ赤で点灯
  • 画面にカラフルな四角形が表示され以降何も起こらず

一応、SDカードを換えて同じ操作を試みて同じ結果を得ています。 また、SDカードにNOOBS ではなく、Raspbian の最新イメージを焼きこんで起動しても同じ画面になります。

ここまで検証を行い、またネットでいくつかの情報を得た後に初期不良を疑い販売元に問い合わせを行いました。

その結果、過去に同様の初期不良が発生しており、今回は交換となるようです。交換品を先に発送していただき、到着後こちらの不良品を送り返すとのことで、交換品は即日発送となりました。メールで問い合わせ後の応答はとても早く、電話での応対もとても気持ちの良いものでした。

交換品の到着が待ち遠しいです。

まとめ

Raspberry PIを購入したところ初期不良にあたってしまいました。

症状はSDカードを読まず、カラフルな矩形が表示されたきりになるというものです。

販売元に問い合わせたところ、過去に例のある初期不良とのことで、交換となりました。

楽天テクノロジーカンファレンス まつもとゆきひろ氏の講演から学ぶエンジニアのあり方

photo by zalgon

はじめに

先日、と言ってももう1ヶ月以上も前ですが、楽天が主催するRakuten Technology Conference 2013 というイベントに参加してきました。全セッション、エンジニアによるエンジニアのための内容となっており、英語オンリーな点を除けば私にとっては非常に楽しいものでした。

その中でも、最も興味深かったRubyの開発者でもあるまつもとゆきひろ氏の講演内容について簡単にまとめたいと思います。

まつもと氏講演の概要

以前、同氏のmrubyの講演を聴いた際には、プログラミング言語への計り知れない愛と情熱、そしてスーパーハッカーっぷりを余すところ無く見せてくれました。しかし、この日の内容は少し俯瞰的な視点から、変化の激しいこの時代にエンジニアはどのように歩んで行くと良いのか、というものでした。

以下、いくつかの視点でまつもと氏の講演内容をまとめます。一部意訳が含まれます。

我々エンジニアが生きるこの時代はどのようなものか

10〜20年前の世の中と比較し、ものづくり、特にソフトウェア開発の環境は大きく変化している。インターネットを始めとするIT技術が狭く急激な流れを生み出している。

また、ソフトウェアというものは物理法則からの制約を受けない。そのため、容易に、大きく、複雑になることができる。例えばTOYOTAプリウスソースコードは数百万行に達すると言われている。

このような環境の中で、しかし我々エンジニアは次のような錯覚を持って開発を行っているのではないか。

エンジニア持ちがちな間違った前提

  1. 我々は、何を作ろうとしているかを理解している

  2. 我々は、何を作りたいかを理解している

  3. 周囲の状況は変化しない

しかし、これらは誤りである。我々は無知を認めなければならない。 未来は予測できず、何を作りたいかを理解していない。 ビジネス価値を最大化する、と言いながら、何がそれを成すのかを理解していない。 ex 140文字のTwitterが、これほどまでに成功するなど、サービス開始当初から予測している人はいなかった。

我々が無知であるならば、とりうる選択肢は限られている。

いくつか候補があるが、最も角度の高いものは"試行錯誤(Try and error)"である。

試行錯誤が許される時代

試行錯誤が選択肢になるためには必要な条件がある。

  1. 何度も挑戦できること

  2. 失敗がローコストであること

20年前、ネットワーク接続料も高く、コンピュータも高価だった時代にこの条件は満たされなかった。

しかし、今は違う。

コンピュータはとても安くなり、インターネットにどこからでも接続できる。

プログラミング言語の抽象度は高くなり、ソフトウェアの開発費は安くなった。

これらを劇的に推し進めたのはオープンソース・ソフトウェアであり、インターネットコラボレーションである。

Open source everything but core competance

競争力を生み出すもの以外はすべてOSSで実現するべきである。

そして、自らのソフトウェアについてのオープンコミュニティを形成するべきである。これはOSSに限った話ではない。プロジェクトは最小化し、いずれ解体すべきだ。

そしてもしオープンソース・ソフトウェアを開発する機会があるのであれば、大事なことはただひとつ。

Keep Moving Forward, or Die(進み続けよ、さもなくば死あるのみ)

OSSコミュニティは迫り来るサメのようなものである。開発者はコミュニティの何者にも追いつかれない速度で前に進み続けるしか無い。

何度も挑戦し、早めに撤退する(Try often, fail early)

FROM: "Failure is the end of the world" TO:"You can OK to fail" ("失敗したら終わり"から"失敗してもいい"へ)

Create great software, and Change the World

まとめ

まつもと氏の講演内容についてのまとめメモでした。

また、講演後のQAセッションでも、自らソフトウェアを作り前進し続けるメリットは大きな自由を得られること、また、大きな企業はエンジニアをクリエイターと見ておらず歯車と考えている、などの考えを語っていました。

手のひらサイズのLinuxコンピュータ Raspberry PI を購入する

photo by Sunchild57

はじめに

Raspberry PI は、CPU にスマホでも多く用いられているARM プロセッサを搭載した手のひらサイズのコンピュータである。

Raspberry Pi Type B 512MB

Raspberry Pi Type B 512MB

特徴は次の通り

  • Linux を簡単にインストール可能である

  • 別売りの専用カメラモジュールや、一般的なUSB接続型Webカメラを接続可能であり、プログラムからその制御ができる

  • C言語のみならず、RubyPythonなどといった記述力の高い言語を使うことができる

  • 先人たちの切り開いた多くの情報(ブログ、書籍、便利ライブラリ)を利用することで、やりたい事を比較的容易に実現できる

用途としては、監視カメラ(動体検出もできるらしい)、簡易Web サーバ、TwitterBot作成など、非常に多岐に渡る。

手軽に組み込み機器の制御を学べる上に、カメラを接続して画像処理を行うプログラムを作成する過程で、画像処理ライブラリであるOpenCVを学習することもできるようだ。

私自身、組み込みエンジニアでありながら、仕事では製品まるごと一つの開発を行う機会もないので、この機会に購入し試してみようと思っている。

(現在発注済で、到着を待っているところ。到着後記事追加予定)

Raspberry Piユーザーガイド

Raspberry Piユーザーガイド

OSX Mountain Lion にemacs24.3を導入 IMEパッチ編

2014-04-13 追記

Homebrewのレシピにパッチが取り込まれたようですので、以下の手順は不要となりました。

HomebrewのEmacsにIMEインラインパッチが取り込まれたので設定した - @znz blog

はじめに

前回の記事ではOSX Mountain Lionにemacs24をインストールしました。しかし、emacsからの日本語変換ソフト(Goolge日本語入力)のOn/Offや、C-x b などをタイプした時の挙動に問題を感じていました。

今回はこれらの問題を解決してくれるIMEパッチを適用し、Homebrew経由でemacs24を再度インストールします。

インストール手順

インストールには次の2つの手順が必要です。

  • Fomulaファイルと言われるHomebrewのインストールレシピの編集
  • brewコマンドでemacsをインストール

順に説明します。

Fomulaファイルの編集

次のファイルをエディタで開きます。

/usr/local/Library/Formula

以下のコードブロックを追加し保存します。

def patches 
    if build.include? "cocoa" and not build.head? { :p0 => "https://gist.github.com/ganta/5139150/raw/8f6fc32747c40a51de597ce73085f56764a7d3ed/japanese-patch-for-emacs-24.3.patch" } 
    end 
end 

brewコマンドでインストール

$ brew install emacs --cocoa --env=std

これでemacs24.3(記事執筆時点)が/usr/local/Cellar/emacs/24.3/bin/emacs-24.3にインストールされます。

まとめ

OSX Mountain Lion に emacs24.3をIMEパッチ適用した上でインストールしました。

参考URL http://qiita.com/h12o@github/items/0824b0a4fd1eaae67019

OSX Mountain Lion にemacs24を導入

はじめに

OSX Mountain Lion にHomebrew を用いて、emacs24を導入します。

Brew のインストール

Homebrew のインストール方法は以下のページが詳しいです。

http://tools4hack.santalab.me/howto-mountainlion-install-homebrew.html

Java, Xcode Command Line Tools の導入が完了していれば、次のコマンドでHomebrew が導入できます。

$ ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.github.com/mxcl/homebrew/go)"

emacs のインストール 

homebrew を用いてemacs をインストールします。

$ brew install emacs --cocoa

上記コマンドを実行すると /usr/local/Cellar/emacs/24.3 にemacs がインストールされます。

アプリケーションから実行できるように、シンボリックリンクを張ります。

$ ln -s /usr/local/Cellar/emacs/24.3/Emacs.app /Applications

 

これでemacs24 がインストールされ、アプリケーションからも実行できるようになりました。

 

まとめ

OSX Mountain Lion に、Homebrew を用いてemacs24 をインストールしました。

brew コマンドが使える環境が整っていれば、わずか数コマンドでemacs 環境が手に入ります。